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[2017年9月7日:公表]

先端部から煙が出たスチームアイロン(相談解決のためのテストから No.116)

*詳細な内容につきましては、本ページの最後にある「報告書本文[PDF形式]」をご覧ください。

消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。

 「スチームアイロンを乾熱状態(ドライ)で使用し、アイロン台に置いたところ、パチパチと音がして、アイロンの先端から煙が出ていた。発煙した原因を調べてほしい。」という依頼を受けました。

 当該品は、コード付きのスチームアイロンで、温度調節ダイヤルを回すことで本体内に設けられた通電のための接点が接触し、かけ面内部のヒーター線が加熱され、温度が上昇する構造でした。また、所定の温度まで上昇すると、接点の付いている金属が熱膨張により反ることで接点が離れ、加熱が停止する仕組みでした。

 当該品を分解し、内部の状態を確認したところ、本体先端側のゴムが焼けて金属板から浮いた状態となっていたほか、通電のための接点に導電性の異物(小さな銅の粒)が付着していました。この接点に付着していた異物を取り除いた跡には、円弧状の変形が見られました。また、温度ヒューズ(注)は切れており、動作しない状態でした。

 そこで、同型品を用いて接点を強制的に通電し続ける状態にして動作をさせたところ、通電開始から約1分後に、パチパチという音とともに、かけ面の先端から白い煙が発生しました。この時のかけ面の温度は約450℃に達しており、通電開始から約1分30秒後には、温度ヒューズが切れ、加熱が停止しました。

 以上、当該品は接点の間に付着していた導電性の異物によって常に通電状態となり、仕様範囲外の温度まで加熱されたために、内部のゴムが焼けて煙が発生したものと考えられました。また、接点の変形の様子から、付着していた異物はコードの芯線のような線形状の銅材で、使用過程の中で一部が溶けてしまい上下の接点を繋(つな)いでしまった可能性が考えられました。

 テスト結果を販売事業者に説明したところ、異物は製造工程で混入したコードの切りくずであったことがわかり、当該品は新しいアイロンと交換されました。また、今後は異物が入らないように工場の製品・材料等の管理を厳しくしていくとの報告がありました。

  • (注)異常な高温時に溶断する安全装置。

本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

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